"糸井
ぼく、前に、
「100円を捨ててきなさい」
という授業を、やったことがあるんです。
その授業というのは、
俺の職業になりたい人が集まってきているから、
少し乱暴をしてもいいんです。
だから、さっき言った小学生とは
違うことができるんだけど。「今からみんな、100円を持って外に出て、
捨ててきて戻ってきて、その感想を述べてね」
と言ったんです。
松本
おもしろいですね。糸井
うん。
「お金」というものが生む「約束」を
いかに壊してしまうかという瞬間だからね。
で、授業に参加していた子たちでも、
女の子は、みんな快感を感じたんです。感想を言わせても、基本的には、
「すっごい気持ちよかったです!!」って、
たった100円なのに、イッた目をしてるんですよ。
まあ、もちろんおばさん型の人はいて、
「私にはそんなこと、できませんでした」
という感想だって、あるはあったけど。それに比べたら男は理屈っぽくて、
「歩道橋の上からトラックの荷台に
100円を落としたんだけども、
あれが旅にゆくと思うとおもしろかった」
「公衆電話ボックスのお金の戻り口に
入れておいたから、誰かが使うんじゃないか」
とか何とか言っている。ブラックホールに向けて
ものを投げることが、できないんです。もっとセンスのないひどい奴は、
自動販売機で要らない飲み物を買って、
それを飲んだとか言っていて・・・・
それを「捨てたとおんなじ」だとか。松本
ダメですね~。糸井
それ、答案として最悪ですよね?松本
"
そうですよね。